これまでの経緯と考え方

プロフィールでも紹介していますが、私はレストラン向けに生産している石川県白山市の中野さんの畑で、梨のような大根を食べたことがきっかけで農業に興味を持ちました。大根のほかにも生食できるそら豆やかぶなど、知っている野菜でも驚かされることがたくさんあり、ビーツや根セロリなどの聞いたことも無い野菜にまた驚かされたりと、畑では自分の常識を覆される出来事がたくさんありました。普段スーパーでしか野菜に接していない自分が知っている世界はいかに一部分でしかないのかと考えさせられました。

おもしろがって中野さんの畑に通うたび、ひとつの疑問を抱くようになりました。それは「なぜこの野菜を私が買うことができないのか」という疑問です。レストランにしか出荷していない中野さんの野菜は一般には流通していないしご本人にもその気が無い。これは私の師匠、エコファームアサノの浅野悦男さんも同じです。

========================================================================
これだけおもしろい野菜たち。生食もできるし焼くだけでおいしいんだから料理も簡単になるし。
一般家庭でも十分使えるはずなのに、おれはこれを買うことができない。

それなら自分でこういう野菜を作ってしまえばいいじゃないか。
おれと同じように好奇心旺盛な人やうまいもん食べるのが好きな人ならきっと欲しいって思ってくれるはずだ。

自分で野菜を作って料理を作って知らない世界を見せてあげれば、
自分の周りの人たちに喜んでもらえるんじゃないか。
========================================================================

これが私の出発点です。

世の中には私のように自分が作った野菜をインターネットなどで個人宅配している農家も多くいらっしゃいますが、有機だとか自然だとか環境保護の側面を全面に押し出している人たちがとても多いんです。それが、どうも私には違和感があるんです。

環境にいいんですとか健康にいいんですというのは、それはとても大切なことなのですが、人間正しいことだけをやり続けるのはとても難しいと思うんです。自分の生活にわかりやすくプラスになっているものがないと続かない。

それに対しておいしいとかおもしろいとかいうのはリアルにプラスに感じれることだと思う。そこを入り口に野菜や畑の世界をのぞいてもらってたまには畑に行きたいと思ってもらうほうが、有機だなんだと訴えかけるよりよっぽど食への意識を高めることができると思うんです。

そんなわけで、キレドは食への意識を高めることを内に秘めながら(笑)「おいしい」・「おもしろい」にこだわって、野菜や畑のおもしろさを発信していきます。キレドをきっかけに食への意識を高める人がひとりでも多くいてくれたらうれしいです。

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

大きいほど価値があるんですか?

スーパーに行くとキャベツの重さを手でもって比べている人をよくみかけます。大根の前でも同じような光景が。みんなできるだけ大きなものを買おうと思っているようですね。同じ値段なんだからなるべく量のかさばるものをと。なるほど、理にかなっているように見えます。

しかし、味を中心に考えてみてください。本当に大きい野菜のほうがいいですか?あんな大きな大根、一度に使い切れませんよね?ほとんどの人は半分に切って冷蔵庫で保存するんじゃないでしょうか?

しかし、野菜は切った瞬間から鮮度が落ちていきます。半分に切ったその瞬間からどんどんおいしさは失われていくんです。

それなら、大きな大根をひとつ買うより小さな大根をふたつ買ったほうがいいと思いませんか?

キレドでは大きくする必要の無い野菜は食べきりサイズで出していきます。
野菜にはいろんなタイプがあります。
大きくても小さくても味の変わらないもの。
大きいほうが味がよいもの。
小さいほうが味がよいもの。

量や形にこだわらず、味がいいときに出荷する。
そういう農家がもっといてもおかしくないと思うんだけども。

キレドからは小さい大根も多く出荷します。大根を見て小さいなぁと思ったときはこの話を思い出してみてください。

逆にとんでもなく大きな野菜が届いたときは、大きいほうがおいしいんだとこの話を思い出してみてくださいね。

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

まずは生か焼くかで食べてみてください

キレドで作る野菜はそのほとんどが生で食べられるものです。生でというとレタスやキャベツなどのサラダにする野菜しか思い浮かばないかもしれませんね。しかし、キレドの野菜はかぶだろうとほうれん草だろうと生食できます。

普段、かぶをどうやって食べますか?漬け物にしちゃいますか?
普段、ほうれん草をどうやって食べますか?やっぱりおひたしかバターソテーですか?

それも悪くはありませんがうちの野菜を食べる以上はまずは生で食べてみてください。
きっとはじめての味に巡り会えると思います。そのまま食べてみるもよし。生にオリーブオイルと塩をふって食べてみるもよし。

生で食べたあとは焼いて食べてみてください。
例えば大根は太めに輪切りにしてステーキのように焼いてみます。
焼き目がついたらひっくり返してもう片面を焼き、塩、胡椒をふるだけです。

肥料たっぷりで育てたスーパーの野菜と違い、肥料を抑えてミネラルたっぷりで育った大根は水っぽくないので火を入れても水があまり出てきません。そのため甘味がしっかり中に残るんです。肥料いっぱいで育てた野菜は水っぽいため味が無いのです。

ここでは大根の一例を出しましたがかぶやズッキーニなどほかの野菜にも当てはまります。焼くだけでしっかり味がある。これがキレドの野菜の特徴です。

味がしっかりのった野菜であれば、切るだけ、焼くだけでしっかりした料理になります。
それはそのまま手間いらずになることを意味してますよね?
世の中の働く女性たちにも優しい料理といえるわけですよ(笑)。

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

形ではなく味を作っています

今ではさまざまなところで本になったり報道されたりして知っている方も多いと思いますが、基本的にスーパーや農協に出荷している農家さんというのは野菜の形を作っていると言っていいと思います。

私たちの近くのほかの農家さんの畑では、広い畑一面に植えたねぎに大量に肥料をあげて野菜を均一に短期間で大きくし、農薬をどーんとかけて大手スーパーのトラックが大量のねぎたちを積んでいく、という光景を普通に見ます。

これは完全に味ではなく形を作っています。短期間に肥料をたっぷりあげて強制的に大きくすることで長さや太さの均一なねぎをそろえ、大量に肥料をやると害虫がたくさん出るから、そのぶんたくさんの農薬をまくという。。。

日本の農家の多くがこの作り方をしているんですから、スーパーに並ぶ野菜たちの多くは
こうした作り方をされていると考えていいでしょう。これらは全て流通の効率化を突き詰めていった結果のことです。

流通のことや売るときのことを考えると長さや重さが均一な野菜のほうが扱いやすいですからね。パック詰めもしやすいし小分けもしやすい。トマトなどは青いときに収穫され輸送中に赤くなります。これも輸送前に完熟にしてしまうとつぶれてしまうからです。

こうした流通最優先な売り方をしているおかげで安価に野菜が手に入る訳ですから悪いことばかりではありません。しかし、こういう買い方をずっとしてしまうと、野菜への意識がどんどん下がり、本来の野菜の味がわからなくなってしまう。

個人的にはこれがとてももったいないと思ってるんです。

私は金沢在住時に農家中野さんの畑で梨のような大根を食べてものすごくおどろいて、今まで食べてたのはなんなの?と野菜のもつ魅力に気づいた口ですが、きっと、一生気づかないひともいると思うんですね。

せめて自分の周りの好奇心旺盛な人たちくらいにはもっとおもしろい世界が広がっていることを知ってほしい。名前は同じでもまったく違う味のする野菜たちはきっとみんなに刺激を与えると思います。キレドはそのために形ではなく味を作る農業をします。そして、この野菜たちで料理をするようになれば、きっと毎日の夕飯が楽しみになるはずですよ。

夕飯が楽しみになれば料理も自ずとうまくなっていくでしょう。
料理がうまくなれば子供も夕飯が楽しみになるでしょう。
楽しみになるときっと子供が自ら手伝うようになるでしょう。
外で働いてるご主人もなるべく早く帰ってうまい料理で一杯と思うようになるでしょう。
すると料理に興味をもったご主人が今日はおれが作るとキッチンに立ち始めるでしょう。

・・・なんて、こんなにぎやかな食卓の画をこの野菜から描けたらと思ってます。

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

ミネラルで育てた野菜たちです

キレドではエコファームアサノ式にミネラル豊富な土壌で野菜を育てています。なぜミネラルで育てるのか、それはおいしさと健康を同時に提供できる野菜に育つからです。

あまり知られていないことですが、生物の根本はカルシウムです。カルシウムの働きが正常でないと様々な病気にかかりやすくなります。カルシウムが体内でどうふるまっているかご存知ですか?

筋肉を動かしたり、血液が流れたりするのはカルシウムが各細胞間の信号伝搬の役割をすることで実現されています。そして細胞間の信号が正しく伝搬することで私たちの健康は保たれています。

正しく信号伝搬をするためにはカルシウムの血中濃度が一定であることが必要なのですが、何もしていないとカルシウムはすぐに不足してしまい血中濃度を保つことができません。すると、生物というのは賢いもので「骨からカルシウムを出して」血中濃度を保とうとします。

これが長く続いた結果起こるのが骨粗鬆症です。聞いたことありますよね?骨がおれやすくなるあの病気です。カルシウムは何もしていないとすぐに不足してしまうのですから、特に食に気を配っていない人は慢性的にカルシウム不足の状態だといえます。すると、持続的に骨からカルシウムを出すことになってしまい、骨がスカスカになってしまうのです。ですから、骨粗鬆症は長期間カルシウム不足が続いた人間、すなわち老人に起こりやすい病気なのです。
そのほか、生理現象でカルシウム不足が起こりやすい女性にも起こりやすい病気です。

さらに悪いことに、一旦骨から出て行ったカルシウムは血管を流れていった先、脳、心臓、神経、そして血管自体にたまりやすくなります。ご想像の通り(?)カルシウムは固いです。カルシウムが付着すると脳なども固くなります。固くなった結果、働きが鈍くなります。脳の働きが鈍くなった結果起こるのがイライラして自分の気持ちが制御できないといった症状です。イライラした人にカルシウム不足だよと言うのはここからきているわけです。その他、物覚えが悪くなるなどの痴呆に似た症状もこのせいで起こります。

神経で起これば思うように腕や足を思うように動かせなくなったりします。心臓で起これば心筋梗塞、血管で起これば動脈硬化、脳梗塞などなど、聞いたことのある病気がごろごろと出てきます。

ほかにも、細胞間の信号伝搬が鈍くなることで免疫系の指示系統がうまく効かなくなったりなど、カルシウム不足はさまざまな病気に影響するのです。

こうしたカルシウム不足に対抗すべく、キレドではミネラルで育てるを基本理念に野菜作りをしています。ミネラル豊富な土壌でミネラルたっぷりの野菜に育ってほしい。そしてそれを食べて健康になろうという考え方です。

それに・・・なぜかミネラル豊富な土壌で育てた野菜はおいしくなるんです。冒頭に生物の根本はカルシウムだと書きました。それは野菜にとっても同じことでしょう。ミネラルを豊富に含むことで野菜も健康にそだつんじゃないか。その結果、生命力があふれておいしくなるのかも。最後は勝手な個人的な解釈ですがそう思っています。

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ